Apoptosisは、2022年12月に「日本に眠る価値を世界が認めるトップブランドへ」という意思のもと創業されました。
生まれて間もない会社ではありますが、多くの集合知やご協力により、製品の拡充やパートナーたちとの関係構築がなされました。
そして、Apoptosisは、改めてブランドコンセプトとして「For the History makers.」という意思表示をすることとし、また、Webサイトのリニューアルをいたしました。
Apoptosis(アポトーシス)とは、個体をより良い状態に保つために、計画的に行われる細胞死のことです。「花びらが花から落ちる」や「葉が木から落ちる」のような細胞活動を指しており、成長、休息、再成長の想いを込め名付けました。
どうして改めてブランドコンセプトを定めたのか、どのような人たちがどのような背景で言葉を見つけたのか。
今回は、ブランドコンセプトの開発、撮影、デザイン、構築のプロジェクトを終えたApoptosisチームの二人による対談をお届けいたします。
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Ken:Apoptosis代表。中国の少数民族生まれ。写真の右。
Eirik:Apoptosisチームメンバー。日本とアメリカのハーフ。タグラインの開発を担当。写真の左。
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- いきなり会社に尋ねてきた学生
Eirik
Eirik(エリック)です。大学生です。
日本とアメリカのハーフで、日本生まれ日本育ち、心の中もアメリカと日本が共存しています。日本の方が多めだと思いますけど。
Ken
今、学生は実際やってるんですか?
Eirik
今、少し休学期間を取っていて、1年間ビジネスの方にしっかりと集中する期間を設けてます。
Ken
それって結構珍しいですか?
Eirik
どっちもどっちって感じですね。 僕の友達を見ると、それでも多くはないですけど、似たようなことをやったり、起業してみたいことっていうのは結構多いですね。でも、休学までするかって言われると、少ないです。
Ken
そうなんだ。それはどういうメンタリティなんですか?
Eirik
休学は、就職とかに影響が出ますし、昔から見ると悪い印象だったりして、踏み出しづらいものっていう価値観が付随してると思うんですけど、僕の中では、早く卒業することにメリットはあんまり感じないんです。 例えば、学割でだったり大学の施設も使えたりするので、学生であることによって様々なメリットもあります。
1年・2年かけてビジネスに集中する場合、卒業して1年、2年集中するのと、学生である間の1年集中するのでは、学生の方がメリットはあるんじゃないかと思って、思い切って休学しようと。
Ken
メリットって、やっぱり大事なんですか?
Eirik
僕の今までの生き様というかただ人間の本能に純粋なだけかもしれませんが、できるだけローコストで最大の結果を得るっていうことを意識しています。それをマーケの施策においてコストとリターンの比率を意識したり、何にお金を使うのか、というところにも繋がっています。
その上で学生である時と、社会人である時の見られ方も変わってきますし、ビジネスの中で生きやすさが違うと感じます。多少夢を無謀に追いかけていても文句を言われにくいですし、機会も提供されるツールも多いです。メリットがあるものを選ぶのは、やっぱ生きやすさに直結するものかなと思っています。
Ken
よく分かりました。ありがとうございます。
この対談の前に、Eirikさんとどうやって出会ったのか振り返ってみたのですが、ある日急に連絡をもらって、いきなりうちの会社に来てくれたのが最初の出会いでしたよね。あれ何だったんですか?
Eirik
僕も突発的だったんですが、当時はとにかく進まなきゃっていう意識があったんです。
1年は短いので、焦りながら手探りでマーケティング支援ビジネスを始めた時にKenさんを見つけて、いろんなことをやっているにも関わらず全てを完璧にやっていて「どうやってんの?」と思って気がついたら行ってました。
Ken
行動に移せるのはすごいですね。
Eirik
行けば何か見つかると感じてたんですが、結果的に間違いじゃなかったです。毎日Kenさんに翻弄される人生になりましたね笑
Ken
褒められてるか分からないですが、ありがとうございます。
Eirik
褒めてます!
- 「For the History makers.」が生み出されたわけ
Ken
僕は普段、フリーランスで、なるべく支援ではなくチームに入り込んだ事業の並走ができるパートナーシップが組める企業のマーケティングや新規事業作りをやっています。Apoptosisはフリーランスとは別に自分が関心がある事をやろうと思って立ち上げたブランドです。
資本主義社会ではいろんな事業のやり方がありますが、うまく社会に乗れる人もいるけど、実際に被害を被っている人がいますよね。
僕は、構造的には日本の一次産業が大変で、その中でも茶農家は特に被害を被っているんじゃないかなと思ったので、自分ができることを一旦自分だけでやってみようってことで始めました。
去年7月ぐらいから始めて、人も集まりお金を払ってくださるお客様も多く現れて、たくさん応援され、農家やメーカーともパートナーシップが組めた。誰かを不幸にすることがなさそうだと感じたので、会社化しました。
Apoptosisという名前をつけてくれたのは、メンバーの尾崎さんで、ロゴはデザイナーの小川さんです。僕の価値観に対してその2人が名前をつけ、作り上げてくれました。
そして、今まではブランドとして何も定義をしてこなかったのですが、取り扱うプロダクトも関わる人も増え、定義を明確にする必要が出てきました。
そして、今回Eirikさんが、”For the History makers.”っていう言葉を考えてくれました。
どうやってこの言葉にたどり着いたんですか?
Eirik
Apoptosisっていう名前と、僕の目線から見たチームの雰囲気の二つが、大きな印象を与えています。
例えば、僕はまだ学生で何かを成し遂げた人でもないのにも関わらずチームに入れてくれ、学生だと経験できないこともやったり、重役のような役職者がいくような場所でさえいかせてくれたりしますよね。
しかも、チーム自体の結束力も普通の組織と少し違っていて、1人1人がギブすることを念頭に置いているのを肌で感じ取れました。
Apoptosisという言葉は、より良い次の細胞のために今の細胞を落とすという一見ダークな意味に聞こえますが、僕自身も、親や友達だったり、Kenさんみたいな、最近新しく自分の人生で関わりを持ち始めた人たちにもギブされて、ここまで生きています。
そういうギブをするような人たちが、感謝を十分されてないなと感じました。
そういう人たちをいたわるブランドっていうのがあまりない気がしたのですが、「僕たちがなればいいじゃん!」と思いました。
プロダクトを考えると、お茶は健康に良いという研究もたくさんありますし、アルコールやワインのような飲料では達成できないこと、健康に対する本質を持っている飲料であるので、ギブできる結束あるチームとプロダクトの性質も揃っているのに、僕たちがやらないで誰がやるのかという気持ちになりました。
Ken
超かっこいい。
Eirik
本当に他に適したブランドが、世の中にないんじゃないかと思ったんです。
Ken
実際にチームの中に入ってみて、僕らの言ってること、実際にやってること、事業、プロダクト全部が合致した気がして、最終的にこの言葉が出てきたということですか?
Eirik
はい。大きな歴史であろうと、小さな歴史であろうと、一人一人が他の人のために動いていて、これからはそれがしっかりと報われる社会になるといいし、その先陣を切るブランドとして体現しようと本当にしているじゃないですか。
大袈裟かもしれないんですが、今まで関わった全てのヒストリーを振り返ってこの「For the History makers.」という言葉が出てきました。
Ken
僕も思っていることは同じです。
誰かにギブできる人って本当に幸せになってほしいよねと思っているけど、実際の社会ってそうじゃないことも多いと思っています。
日本的資本主義の中でビジネスをしていると、機能性ばかりが注目されます。
情緒性というべきか、「必要な人がいるから」と、淡々とやってる日本人も多いと思うのですが、あまり褒められない。僕は、例え自分の身を差し出してでも、他人にギブできる人って本当に美しいなと思っています。
そして、そういう人がHistory Makerであると感じています。
そういう人がもっと、健康や食べる幸せを追求して幸福度が高まる未来を見つけられるといいし、僕たちがビジネスを続けることで日本の茶業や産業に明るい未来を齎せることができるかもと感じています。
- 他人の状態を想像するということ
Ken
普通に生きていると、他人を想像できないようになってしまう人ってたくさんいると思うんですよ。
自分が幸せであればいいとか、面倒そうだから考えたくもないという人も多いです。
Eirikさんはそうじゃないと思うんですが、どうやって他人を想像する能力が培われたんですか?
Eirik
無くしたものも多い経験からなんだと思います。
裕福な生活が出来た時期と最低限の生活をした期間があり、家族も離れ離れになることを経験しました。そこから人の大切さに意識がいくようになり、相手をしっかりと見て、気を遣うようになりました。全然まだまだでたまに帰ってから後悔するなんて日々ありますけど。
また、アメリカと日本両方の文化の中で育ってきたので、多様な方面から物事を見るっていうのが普通でした。
他の人がやってることを見たり、自分のやってることを客観視するところから身についたんだと思います。
Ken
僕も外国人で、幼少期から家族とは離れて暮らしたのでよくわかります。周囲に特別に気を遣うようになりますよね。
その経験があったからこそ、今は結構ポジティブな状態ですか?
Eirik
めっちゃポジティブだと思いますね。
家族が離れ離れになっても僕の家族ってことは変わりないですし、僕の親は離れ離れになっても自分の人生をどれだけ良くできるかっていうことをどこからでも考えているのが伝わってきますし、他の人が経験できないようなことを経験して、自分が一段と成長できています。
まず逆境の大きさは人それぞれで、這い上がりやすいかも変わってくると思います。だけど精神状態や多くの因子から作られている状況は例え双子であっても違う内容の逆境になりますし、成長の大きさも種類も変わってきます。自分はまだ当時は幼く、似た境遇の方もきっと多いですし、論理的に逆境を見れていなかったので大きさや這い上がりやすさとかは分かりません。ただまだ親や周りが頑張って僕に繋いでくれたものも多く残っていたので這い上がれない訳がないということも確かでした。であれば這い上がれる自分は、モノを残してくれた人のためにも這い上がる責任があると思い続けています。父母ともに兄や祖父母には特に感謝しています。
自分の境遇に対して感謝しつつも悔やまず、どうやって既に持っているモノとチャレンジを掛け合わせて自分の価値を高められるかということに繋がるので、結局どんな逆境があろうと自分のためになると受け止めています。
Ken
ありがとうございます。聞けてよかったです。
私たちが扱っているお茶をベースにしたプロダクトは、世の中に浸透しておらず、あまり認知もされていないジャンルなので難しさを感じることも少なくないのですが、去年12月から法人化してここまでスピーディに成長してきたことを振り返ると、Kenさんのカルチャー思想に対して本当に良い人が集まり、特殊な組織形態になっているなと改めて感じました。
2人とも繊細な時期に両親と離れ、無くした経験をしたこと。
日本的な感覚では不幸であると定義されてしまいそうですが、2人とも、一見するとダークに聞こえることも、捉え方次第ではポジティブに捉え、自身の推進力に変えていける強さを持っていると感じます。
Apoptosisチームはほぼ全員、代表のKenさんが過去どこかで一緒に仕事をしてきた仲間なのだそうです。
そんな2人が口を揃えて「For the History makers.を体現しているのがApoptosisチーム」と評価するということは、本当に稀有なんでしょうね。
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